| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


企画集会 T22-3

東南アジアのマングローブ林の植生地理

佐々木 寧(埼玉大学・大学院)

東南アジアのマングローブ種はヒルギ科、ハマザクロ科、クマツズラ科を中心に50-70種ほどあるとされるが、純マングローブ種,Xylocarpus, Aegiceras, Bruguera, Ceriops, Kandelia, Rhizophora, Sonneratia, Avicennia, Aegialitis, Scyphiphora、準マングローブ種Finlaysonia, Lumnitzera, Excoecaria, Nyppa, Heritiera, Acrostichum, Amoora、従マングローブ種Acanthus他13属に類別、その他を非マングローブ種とする(中村他1990)基準で太平洋地域を地域区分し比較すると、マングローブ生態系の中心がインドシナ半島南部にある。マングローブ種特有の胎生根が赤道反流に乗って東方に拡大したと考えられる(佐々木他1992)。また、暖流の動きによってより高緯度地方にも拡大している。種多様性の面でも、アフリカ、熱帯アメリカ地域に比較して東南アジア地区は格段に高く、群落構造、帯状構造面でも多様となっている。アジア太平洋地域のマングローブ林はRhizophora mucronata Area, Rhizophora stylosa Area, Rhizophora mangle― R.samoense Areaの三地域にそれぞれ地域区分されている(Nakamura1992)。マングローブ林の樹高に関しては、熱帯アメリカ地域のRhizophora mangleが現状で50mに達する。東南アジアでは約30m、高緯度地方の日本では10m以下となる。


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