| 要旨トップ | ESJ56 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨 |
企画集会 T22 -- 3月19日17:30-19:30 N会場
副題:日本に分布する熱帯・亜熱帯植生
司会:中村 幸人
日本の植生を客観的に位置づけし,その系譜を探るためには近接したアジア・太平洋地域の植生の広域比較研究が不可欠である.前回の福岡大会の企画集会ではコケモモ−トウヒクラス以北の北方系の植生の系譜を探る企画で実施したが,今回はヤブツバキクラスの位置づけの鍵を握る日本の熱帯・亜熱帯系の植物群落の系譜を探る.
ヤブツバキクラスはそれと類縁の深い熱帯山地生のブナ科・クスノキ科林をみても熱帯低地生のフタバガキ科林と植生帯として直接接続している.またフタバガキ科林中にも低頻度ながらブナ科,クスノキ科常緑樹が混生し,照葉樹林と熱帯林が植生として直接の類縁性を持つことも明らかである.照葉樹林の北限域に相当する日本のヤブツバキクラス域には海岸生あるいは土地的な植生として熱帯と共通,あるいは類縁の深い群落が多数分布する.植生帯としての照葉樹林域の位置づけに資することを目的に,日本の熱帯・亜熱帯系植生の実態を探ってみたい.
[T22-1] はじめに−日本に生育する熱帯系植生−
[T22-2] 日本の熱帯・亜熱帯性海岸植生とフロラ
[T22-3] 東南アジアのマングローブ林の植生地理
[T22-4] イヌビワ−アカメガシワオーダーの植生地理