| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-010 (Poster presentation)

ミクロネシア・トラック環礁における海岸植生の種組成と分布パターン

鹿児島大・教育

ミクロネシア,トラック環礁において,島の海岸植生の分布パターンと多様性を明らかにすることを目的とし,ウエノ(Weno),ロマヌム(Romanum),ピース(Piis)の3つの島において植生調査を行った。海岸植生は,1) マングローブ,2) ハマアズキ(Vigna marina)-オオバナノセンダングサ(Bidens pilosa var. radiata)群落,3) クサトベラ(Scaevola taccada)-モンパノキ(Heliotropium foertherianum)群落,4) サキシマハマボウ(Thespesia populnea)-パンダヌス(Pandanus)群落,5) オオハマボウ(Hibiscus tiliaceus)-シイノキカズラ(Derris trifoliate)群落,6) ウミショウブ(Enhalus acoroides)群落の6群落に区分された。マングローブは主に小河川の河口や海岸の塩生湿地に成立していた。一方,ハマアズキ-オオバナノセンダングサ群落,クサトベラ-モンパノキ群落,サキシマハマボウ-パンダヌス群落は砂浜に,オオハマボウ-シイノキカズラ群落は主に岩石海岸に成立していた。ウミショウブ群落は浅い海底に成立していた。このように海岸植生の分布パターンは,各島の地質,地形的要因と大きく関連していると考えられた。また,砂浜に成立している群落のうち,外来種を多く含むハマアズキ-オオバナノセンダングサ群落は,都市の発達したウエノ島のみで確認されたことから,人間活動の質によって海岸植生への外来種の侵入の程度が異なることが予想された。


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