| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-340 (Poster presentation)

相補性解析による琵琶湖沿岸生態系の非代替性評価と保護地域のギャップ解析

*柴田淳也(京大・生態研), 苅部甚一(国環研), 酒井陽一郎(京大・生態研), 武山智博(大阪市大・理学), 陀安一郎(京大・生態研), 佐藤祐一(琵琶湖環境研セ), 谷内茂雄, 中野伸一, 奥田昇(京大・生態研)

琵琶湖は、61種の固有種を含む約1700種の水生生物が生息する多様性・固有性の極めて高い貴重な生態系である。しかし、琵琶湖生態系は過去半世紀の間に、富栄養化や開発、外来種の移入など様々な影響にさらされ、多様性ホットスポットの一つとして懸念される。それゆえ多様性保全にむけ多くの関心が寄せられている。しかし、琵琶湖は大規模湖沼ゆえに全域を保全対象とすることは実現が困難であり、保全努力を優先すべき重要な地域の選定が、琵琶湖の生物多様性を効果的に保全していくために重要な課題となる。保全に向けた保護地域の選定において、対象地域全体の多様性(γ多様性)に着目し保護地区を選定することが重要である。γ多様性を最大化する最小の地点の組合せを選択する解析手法として、各地点の群集構成種の非代替性を評価する相補性解析が提唱されている。本研究では、陸域と水域生態系の移行帯に位置し特に人為影響を強く受ける沿岸生態系に着目し、琵琶湖全域の沿岸生態系における生物分布の調査にもとづく相補性解析により、琵琶湖生態系の多様性維持において重要性の高い地点の特定を目的とした。また、解析により選定された地点と、現在設定されている自然保護区を比較(ギャップ解析)することで、既存の自然保護システムにおける保全効率の改善にむけた知見の提供を目指す。本発表では、琵琶湖沿岸に生息する底生動物・魚類・沈水植物に対する相補性解析とギャップ解析の予備結果を紹介する。


日本生態学会