| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-351 (Poster presentation)
岩手県大槌町が誇る豊富な湧水は,独自の生態系を形成し,豊かな生物多様性を支えてきた.また当地は,希少魚であるトゲウオ科イトヨの生息地でもある.そのため大槌町では,湧水地,およびそこに生息するイトヨを保全の対象としてきた.しかし,2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う大津波により,大槌町の湧水生態系は壊滅的なダメージを受けた.震災後の湧水生態系,およびそこに生息する生物相の変化の調査は貴重な知見であり,大槌町の復興にも貢献できると期待される.そこで,震災直後から行ったイトヨを中心とした水生生物および水環境のモニタリング調査の結果を報告し,湧水の存在が陸水生態系の回復に果たす役割について考察する.演者らは2011年以前からも当地で調査を行って来たことから津波前のデータと比較することが可能であり,今後は津波の影響および復元状況を明らかにしていきたい.