| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


シンポジウム S11-4 (Lecture in Symposium/Workshop)

子を産まないオスに意義がある!? 無性型と競争する有性型の存続戦略

小林和也(京大院・農・昆虫生態)

なぜ多くの生物は有性生殖を行うのだろうか?

有性生殖生物は、子供に遺伝子以外の貢献がないオスへ資源を投資しなければならないため、全ての資源を娘に投資できる無性生殖生物に比べて、増殖率が半分になる。また、有性生殖を行うと母親は自分の遺伝子の半分しか子供に伝える事が出来ないが、無性生殖生物は自分の遺伝子を全て子供に伝える事が出来る。

これらのコストが存在するにもかかわらず、有性生殖が多くの真核生物で広く行われるという矛盾から、なんらかのベネフィットの存在が予測されている。しかしながら、全ての有性生殖生物が上述のコストを支払っているわけではない。もしコストが小さいのであれば、わずかなベネフィットだけで有性生殖は進化しうる。

今回、有性生殖のコストについて再考し、既存の理論をまじえながらどのような条件下で有性型が存続可能か検討する。


日本生態学会