| 要旨トップ | ESJ60 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
シンポジウム S11 -- 3月7日 9:30-12:30 E会場
絶滅回避は、生物の進化にとって重要であるが、進化生態学や個体群生態学ではあまり考慮されてこなかった。しかし、近年、理論的には幾何平均適応度などの解析により、その重要性が認識されつつある。また、様々な生物の進化史からも、絶滅問題が重要であることがわかりつつある。とくに絶滅回避は、種内・種間競争などの従来の考え型とは異なることがわかってきた。このような発展から、絶滅回避、つまり長期存続は、生物にとってもっとも重要な適応進化の課題であることがわかってきた。従来の多くの進化研究のように、生き残りを前提として、「誰が勝ち残るか?」といういわば、「強者の選択理論」とは異なる進化適応の法則であることがわかる。この観点から、絶滅回避は、「進化の第1法則」と云え、従来の強者の選択は「進化の第2法則」とみなすことができる。本シンポジウムでは、特異な生活史をもつ実際の生物の進化史や絶滅問題の理論など、この絶滅回避について考察する。生物の対象としては、シロアリやアリなど真社会性生物、カタツムリ、そして、周期性植物について、それぞれ絶滅回避の適応を考察していく。
[S11-1] 導入:絶滅回避は進化の第1法則!?
[S11-2] 社会性昆虫の繁殖システムの進化
[S11-3] シロアリの女王フェロモンとコロニーの維持機構
[S11-4] 子を産まないオスに意義がある!? 無性型と競争する有性型の存続戦略
[S11-5] 有肺類の鏡像個体群の存続と適応進化
[S11-6] 6年生周期植物の適応戦略