| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
シンポジウム S11-6 (Lecture in Symposium/Workshop)
1年を越える決まった周期で一斉に繁殖し、死亡する周期生物は、その大量発生(一斉開花)と周期性から多くの人々の興味を集めてきた。このような生物に、植物では最長で120年周期を持つイネ科のタケ・ササ類、動物では13・17年周期を持つ北米の周期ゼミが代表として挙げられる。しかし、このようなきわめて長い周期を持つ生物の生活史の進化を明確に説明することは難しいのが現状である。そこで、キツネノマゴ科イセハナビ属(Strobilanthes)の周期植物に着目し、周期的一斉開花の進化を存続戦略という視点から考察する。
コダチスズムシソウ(別名セイタカスズムシソウ、S. flexicaulis)は沖縄本島から台湾にかけて分布する多年生植物である。長期間の野外調査から、コダチスズムシソウは沖縄本島で6年周期の一斉開花・一斉枯死を繰り返していることが明らかとなった。そこで、6年周期の一斉開花が存続戦略としてどのように働いているのか、本発表では特に一斉開花の維持機構や、近縁で毎年開花する複数回繁殖型種オキナワスズムシソウ(S. tashiroi)との生殖隔離機構に注目して行なった研究を紹介し、議論する。