| 要旨トップ | ESJ61 企画集会 一覧 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


企画集会 T20 -- 3月18日 9:30-11:30 B会場

分子フェノロジー研究の新展開

企画者: 工藤洋 (京大・生態研)

遺伝子発現など、分子生物学の手法で測定が可能となった分子表現型の季節動態を「分子フェノロジー」と呼びます。一連の研究がスタートする前の直観に反し、遺伝子発現は冬季においても活発な変動を示し、年間を通じてそれぞれの遺伝子が特異的な季節動態を示すことが明らかになりました。また遺伝子によっては、特定の時刻や環境要因に対して精度高く応答するとともに、他の要因に対しては頑健であることも示されつつあります。このような特性のために、分子フェノロジーはモデリングの手法と合わせることによって、開花や展葉といった植物フェノロジーの初期徴候を診断し、地球環境変化に対する将来の応答を予測するといったことに使えることがわかりました。本企画集会は、分子フェノロジー研究の最新の成果についての話題提供を受けるとともに、フェノロジー・気象観測の自動・リモート化と遺伝子発現技術の網羅化がもたらした大量同時データをどのように活用するかについて議論を深めることを目的とします。

[T20-1] トランスクリプトーム・フェノロジーの観測と理解に向けて  永野惇(京大・生態研,JST・さきがけ)

[T20-2] 開花遺伝子を軸にした大規模同調開花メカニズムの解明  佐竹暁子(北大・環境),宮﨑祐子(岡山大・環境生命),丸山洋介(北大・理),千葉由佳子(北大・理),小林正樹(チューリヒ大),清水健太郎(チューリヒ大),持田恵一(理研),今博計(道立林試),日浦勉(北大・フィールド)

[T20-3] 環境DNAとフェノロジー研究: 現状と未来  *土居秀幸(広島大・サステナセンター),高原輝彦(広島大院・総科),源利文(神戸大院・人間環境)

[T20-4] 植物が利用可能な環境情報:センサとしての植物利用  久米篤(九大・北海道演習林)


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