| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


企画集会 T21-6 (Lecture in Symposium/Workshop)

東南・東アジア広域における淡水生物多様性保全のための基盤情報整備と拠点形成

*鹿野雄一(九大院工),渋川浩一,打木研三(長尾自然財団),山下奉海,島谷幸宏(九大院工)

陸水生態系は人間活動の影響を受けやすく,生物多様性の劣化が激しい生態系の一つである.私達は,陸水生態系の象徴でもある淡水魚について,広く東南アジア・東アジアでフィールド調査を行ってきた.一方で,生物多様性を評価・解析する上で分類学はその基盤であるが,当該地域の淡水魚類において,その分類は未だ明確には整理されておらず,混沌とした状況が続いている.また,具体的な各種の分布情報なども不足しているために,広域的な多様性解析が難しい.本研究では,東南アジア6カ国の複数研究機関と協働し,分布及び標本情報を基盤とした集約型オンラインデータベース(http://ffish.asia)を構築した.データベースの大部分は実地調査による一次データであり,現在約3万点700種のデータが格納されている.今後は,国内の遺伝子データベースGEDIMAPとの統合や機能・パラメータの拡充,GBIFとの連携を目指しており,それら今後の展望を紹介する.さらに,現在格納されているデータを用い,広域的な複数のGISレイヤーと重ねあわせることで,MAXENTによる各種分布の地図化を行なった.その際,線的な河川のパラメータ(集水面積や傾斜)を面的に拡張することで,より視覚的に見やすい地図化を試みた.これらの結果についても紹介,議論する.


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