| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


企画集会 T07-2 (Lecture in Symposium/Workshop)

光環境?捕食圧?琉球列島における陸生脊椎動物の体色変異

持田浩治(琉大・熱生研)

OceanOptics社製の小型分光器は、対象動物を殺すことなく、体色の反射スペクトル(Reflectance)を計測し、また対象動物の生息する陸水環境中のスペクトル放射照度(Irradiance)や放射輝度(Radiance)、さらには透過スペクトル(Transmittance)までの測定を可能とする。近年、動物の体色をもちいた視覚コミュニケーション研究は、これらのスペクトルデータに加えて、視覚シグナルを受け取るレシーバーの視細胞の吸収波長データまでを考慮することで、シグナル機能や進化プロセスの理解をすすめている。まず本講演では、講演者がこれまでOceanOptics USB2000(分光器)をもちいて計測した陸水環境のスペクトルデータをとおして、森や湖・河川がどれだけ多様な光環境をつくり出しているのかを説明し、あわせて、各種スペクトルの計測方法を紹介する。また林床に生息するイモリの求愛シグナルや警告シグナル研究をとおして、森林の光スペクトル環境が、林床性動物の種内・種間コミュニケーション様式をどのように駆動しているかを議論する。


日本生態学会