| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨 ESJ65 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-252 (Poster presentation)
野生動物の保全と管理には、対象種の個体数変動を知ることが不可欠である。そのため個体数変動を推定するための各種手法の研究が行われてきた。その一つに広域調査が可能なリモートセンシングの利用(動物リモートセンシング)がある。しかし可視光を用いた動物リモートセンシングにおいては、保護色をしている動物を画像から識別する難しさがあった。またリモートセンシングは上空からの観測のため、樹冠の下などにいる動物を見付けることは難しい。そのため対象種が活動的な時間帯に撮影することが望ましいが、可視光では薄明薄暮性の動物を捉えることが困難である。そこで動物と背景の表面温度差から動物を捉えることができる、熱赤外リモートセンシング画像の利用が考えられる。
これまでの熱赤外画像を用いた動物リモートセンシング事例のほとんどは、背景が雪面・水面・草地といった動物と背景の表面温度差がはっきりしており、かつ背景の土地被覆が一様な場合に限られてきた。そこで本研究ではドローンを用いた熱赤外リモートセンシング画像撮影実験や、放射温度計を用いた地上テストに加え、市街地付近の航空機熱赤外リモートセンシング画像を用いてシカの自動検出を試みることで、航空機熱赤外リモートセンシング画像による野生動物調査に必要な観測条件などについて検討した。