| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨 ESJ65 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P3-187 (Poster presentation)
里地里山は、生物の生息・生育環境として注目されており、生物多様性の保全を考える上で重要な地域として位置付けられている。北海道は、低地に発達していた自然草原が戦後の開拓などにより水田や畑地に急速に転換されてきた歴史があり、全国の耕地面積の4分の1を有する一大農業地帯である。また、草原性鳥類は、農耕地でも確認される種が多く、農耕地が草原性鳥類の代替生息地として機能していると考えられるが、北海道において、草原性鳥類がどのように農耕地を利用しているかについての調査研究は少ない。そこで、第6回自然環境保全基礎調査で実施された鳥類繁殖分布調査のうち、現地調査の結果と植生図を用いて、草原性鳥類の農耕地利用を明らかにしたので報告する。ヒバリとノビタキは、調査ルート沿いに畑地の占める割合が高いほど出現率が高くなる傾向があった。オオジュリン、マキノセンニュウ、シマセンニュウは、ルート沿いの畑地の割合が高い地域では出現せず、コヨシキリは出現率が低くなる傾向があった。また、ノゴマとホオアカは畑地の割合に関係なく出現率がほぼ一定であった。