| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨 ESJ65 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P3-198 (Poster presentation)
水田などの一時的な水域でよく見られるタマミジンコ類は、日本にはM. macrocopa、M. micruraとM. weismanniの3種が分布すると言われている。しかし種判別に用いられてきた形態形質、例えば後腹部側面の葉状棘の数や甲殻表面の細毛の有無などは、同一種内においても変異が大きいため、種判別に適切な形質ではない。また淡水動物プランクトンには、形態では不可分だが遺伝的には異なる隠蔽種が数多く存在するが、M. micruraも隠蔽種の複合体である可能性が既に指摘されている。そこで本研究では、日本に出現するタマミジンコ類について、mtCOIのDNAバーコーディングにより判別された「種」の形態形質を精査することで、種判別に有効な形態形質の再確認を行い、従来の命名が適切であるかを判断し、また日本未確認種が存在するか否かも調べる。次いで、それぞれの「種」の広域分布を、国際データベース上のmtCOI配列をもとに調べる。最後に、それぞれの「種」の日本におけるハビタット選好性を、採集時のデータに基づき論議する。