| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-208  (Poster presentation)

中山間地における耕作水田の水生生物相は環境保全型農業によってどう変わるのか

*淺野悟史(滋賀県・琵環研セ), 上原佳敏(総合地球環境学研究所), 石田卓也(総合地球環境学研究所), 池谷透(総合地球環境学研究所), 奥田昇(総合地球環境学研究所)

 近年,補助金やプレミアム米などの取り組みの増加により,環境に配慮した農業が拡大している。とりわけ水田は湿地性生物のハビタットとなっている場合が多く,農業の担う多面的機能のひとつとして安定的なハビタットの提供が期待される。本発表では滋賀県甲賀市の保全型農業実施地区において,2~3月の冬季湛水により6月の湿地性生物の生物相にどのような変化がみられるのかを明らかにする。
 冬季湛水実施水田と非実施水田を含む30筆を対象に,5m区間を目合い3mmのD型ネットを用いて一定エフォートで生物を採集し同定とカウントを行った。この結果を統計解析したところ,冬季湛水の効果として湿地性生物の多様性を高めることが示された。次に在来生物と外来生物を分けて分析したところ,外来生物の存在は在来生物の多様性を低下させることが示唆され,冬季湛水と合わせた外来生物対策も必要であると考えられる。


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