| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨 ESJ66 Abstract |
自由集会 W15-3 (Workshop)
野生動物を保全するためには、その担い手である地域社会が保全を通じて持続的に経済的ないしは文化的に便益を享受できる仕組みの充実が不可欠です。昨今、野生動物ツーリズムを中心として、自然環境を活用した観光は自然を直接消費せず、その便益を地域社会に還元できるツールとして注目を集めています。しかしながら、多くの既存研究では実際に野生動物を保全することが具体的にどれだけ地域社会に便益をもたらすかといった定量的な議論は殆ど行われてきませんでした。
本発表では、我が国における哺乳類を中心とした野生動物ツーリズムの概要を紹介するとともに、筆者らが奄美大島で実施したアマミノクロウサギ観察ツーリズムに関する経済分析の結果に基づいて、保全活動が地域社会にもたらす経済的な便益およびその保全便益を最大にするメカニズムについて話題を提供する。