| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


自由集会 W21-1  (Workshop)

徳島における市民参加型による水田生物多様性評価にむけての取り組み
Citizen participatory examinations of agro-biodiverity in paddy fields of Tokushima.

*飯山直樹(エコー建設コンサル)
*Naoki Iiyama(Echo.Co.Ltd)

徳島県では生物多様性地域戦略が改定され、あらためて注目が集まってきている。このなかには農業生物多様性の保全場面での人材育成プログラム計画が盛り込まれており、同時にエシカル消費と関連づけた生産物流通をクローズアップするなど、生物多様性が市民の生活や経済に近寄った動きとなっている。また、農家など事業者による生物多様性保全の取り組みを認証する制度が準備され、多くの主体が参加する段階に入ろうとしている。
活動に係わる農家や市民は、保全活動が実際に生物多様性に好影響を与えていることを確認したいという思いがある。そこで、「鳥類に優しい水田がわかる生物多様性の調査・評価マニュアル」(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構農業環境変動研究センター 2018)を用いて市民参加での調査を小松島市、阿波市の2地区で実施した。その際にワークショップ形式で意見抽出したところ、「調査者の技術的なバラツキがある」「出穂前後は高温で調査がキツイ」「生きものに詳しくないと満足感が得られない」などの意見があった。また、技術的な未熟さを実感したことから「調査方法等の講義を受けてから調査する」事を望む声もあった。これらのことから、市民参加型の調査を実施するにあたって、研究者と市民をつなぐ仕組みを用意する必要があると考えている。


日本生態学会