| 要旨トップ | ESJ67 自由集会 一覧 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


自由集会 W17  3月7日 17:00-18:30 Room I

100年後の森林を予測する~森林景観モデルにできること、できないこと~
What will forests be like in the future?

小林勇太(横浜国立大学), 芳賀智宏(大阪大学)
Yuta KOBAYASHI(Yokohama National University), Chihiro HAGA(Osaka University)

2014年に公表されたIPCC第5次報告書では、気温上昇をはじめとする気候変動が少なくとも今後100年間継続することが示されている。また、2019年のIPBES地球規模アセスメントでは、気候変動に加えて人間活動も重要な自然環境変化の駆動因として懸念されている。このような環境・社会の変化にともない、100年後の森林はどのくらい様変わりしているのだろうか。気温上昇一つをとっても、個葉レベルの光合成活性から景観レベルの群集集合にいたるまで、大小様々な時空間スケールで森林生態系プロセスに影響を与える。そのため、統合的な森林生態系の変化を実験により予測することは難しく、モデルによる予測やシナリオ分析が有効な手法であることが広く認知されている。
近年の情報科学の進展にともない、撹乱や生態系管理が気候変動下にある森林動態に与える影響を明らかにするために、数多くの空間明示型の森林景観モデル (Forest Landscape Model) が開発・改良されてきた。しかし、シミュレーションが可能な空間範囲や時空間解像度、再現できる生態系プロセスの種類と詳細さはモデルによって異なるため、研究の目的に応じたモデル選択が重要になる。この自由集会では、日本国内の森林景観モデル研究の一歩目のハードルを下げるために、上記の特徴が異なる2つのモデル (iLand、LANDIS-II) に関して、長所と短所に重点をおいた概要説明と適用事例の紹介を行う。
総合討論では、時空間スケールが異なるモデル間でも結果やプロセス改良に関する知見を共有してシームレスに連携するための方向性を検討する。また、今後懸念される気候変動・社会変化の下での森林保全・管理に対する森林景観モデルの社会実装への応用可能性や今後の発展について、以下のコメンテーターとともに議論する。

コメンテーター
佐藤永(海洋研究開発機構)
森章(横浜国立大学)

[W17-1]
iLandってなに? *小林勇太(横浜国立大学)
What is iLand? *Yuta KOBAYASHI(Yokohama National University)

[W17-2]
LANDIS-IIってなに? *芳賀智宏(大阪大学)
What is LANDIS-II? *Chihiro HAGA(Osaka University)


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