| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-471  (Poster presentation)

日本の生物多様性主流化に向けたTwitterデータの活用-7言語のツイート比較-
How can we make use of Twitter to mainstream biodiversity ~comparison among 7 languages~

*石田愁, 松井孝典, 芳賀智宏, Zhou YUERU, 町村尚(大阪大学)
*Shu ISHIDA, Takanori MATSUI, Chihiro HAGA, Zhou YUERU, Takashi MACHIMURA(Osaka University)

2019年にIPBESから発表されたGlobal assessment report では、過去50年で人類史上かつてないほどに地球全体の自然が変化し、生物多様性が損失していることが報告された。自然の保全と持続可能な利用、および持続可能な社会の実現に向けた目標達成に向けて、経済、社会、政治、技術すべてにおけるTransformative Change(社会変革)が求められている。日本においては、特に生産と消費に関わる価値観の変容と人々の自然への関心の高まりが生物多様性の保全に有効とされているが、生物多様性の認知度は過去10年間で上昇するどころか減少傾向である。しかし、本当に10年もの間、沈黙を続けていたのだろうか。少なからず発信を続けてきた人たちの想いを探索することにより、人々の関心への有効な介入点を発見することはできないだろうか。そこで、本研究ではこれまで世界中で「生物多様性」に関するメッセージを発信し続けていた人々に焦点を当て,Twitter解析を行った.2006年3月21日から2021年3月31日までに「生物多様性」という意味の単語を含んだ日本語および国連6か国語の計7か国語のツイートを対象とした.時系列分析では,過去のツイート数、月毎の新出トークン数、年毎のトークン多様度などを定量的に分析し,言語コミュニティ間の比較では日本と国連6か国語で語られてきたハッシュタグを比較することにより、日本の独自性や他言語との共通性を明らかにした。今後「生物多様性」を経済、社会、政治、技術すべてにおいて普遍的価値として組み込む主流化を協働で推進していくための基礎となることを期待している.


日本生態学会