| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨 ESJ69 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-079 (Poster presentation)
赤い新芽をつける植物は多くの分類群から知られている。この赤い色は新芽に有害な防御物質を含んでいることを植食者に宣伝する警告色であると考えられる。赤い新芽は一般的に見られるため、植食者の方でも赤い葉を嫌う傾向が広く見られると予想される。しかし、これまでに色覚によって赤い葉を嫌うことが確かめられた植食者は非常に少ない。そこで、今回はショウリョウバッタを用いて赤い餌を嫌うか調査した。赤と緑の紙に摂食刺激物質のショ糖を染み込ませてショウリョウバッタに食べさせたところ、赤い紙の摂食量は緑の紙に比べて有意に少なかった。しかし、色が分からない暗黒条件や単色の光条件の下で同じ実験を行ったところ、赤と緑の紙ををほぼ同量摂食した。従って、ショウリョウバッタは赤い餌よりも緑の餌を選んで食べていることが確かめられた。