| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-287  (Poster presentation)

アクリル水槽内の場所により異なる光反射の影響
Effect of light reflection from the tank walls differed within an acrylic tank

*三橋水樹香(玉川大学大学院), 増田篤稔(玉川大学), 吉川朋子(玉川大学)
*Nanaka MITSUHASHI(Guraduate Tamagawa Univ.), Atsunori MASUDA(Tamagawa Univ.), Tomoko YOSHIKAWA(Tamagawa Univ.)

 水生生物は地球温暖化や富栄養化,土砂流入などの影響を受けており,近年,サンゴも白化現象が深刻となっている.環境変化がサンゴへ与える影響については,屋内外で水槽実験により研究が行われている.室内実験での光条件は重要だが,光波長に対する粒子数やエネルギーまで測定する研究事例は少なく,水槽内の光環境の定量評価が必要である.そこで,実験水槽内の光環境の把握を目的に詳細な測定を行った.
 まず,平面的な光環境を把握するために65L水槽の縦,横,高さを5 cm間隔で区画を振り分けた.水深5~25cm(5cm毎)で光環境をPPFD電圧ロガー計と放射束電圧ロガー計で測定し,均斉度を水深ごとに求めた.外周30区の測定値は区画によって変動が大きく,内側の区画は安定していた.均斉度が最も高かった水深は水深15,20 cmの内側の区画であった.視覚的には均一に見える光環境でも,アクリル板に面する区画ほど光の反射による影響を受けやすくいと考えられる.
 また,サンゴは立体的構造を持つため,立体的光空間を求める必要があった.その前段階として,水中における光の減衰率を求めるため,直線性の高い赤色と緑色のレーザー光をカオリン土が混濁した淡水と海水に照射し,撮影した画像をimage Jで処理して消散係数を算出した.また,溶液の違いによる光特性について分光光度計を用いて波長ごとに求め,データから水深による光環境の違いを予測した.


日本生態学会