| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨 ESJ69 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-328 (Poster presentation)
摩周湖は外部からの汚濁負荷が極めて少ない一方、流出河川がないためゴミ類は半永久的に湖内に残存すると考えられる。湖は国立公園特別保護地域に指定され、現在は人の立入が制限されているが、1990年代までは湖畔まで人の立入があり、現在でも当時投棄されたゴミが確認されている。
このため、摩周湖環境保全連絡協議会による水質調査にあわせて2020年、2021年に湖畔ゴミについて調査を行った。収集されたゴミは個数としてはアルミ缶、瓶類等が多く、重量ではゴムボート、漁網など化学繊維類が大半を占めた。加えて、少量ながら殺虫剤や飲み薬などの薬品を含むものや散弾銃の薬莢も確認された。
化学繊維は微細化したマイクロプラスチックとして鳥類、魚類に摂食されることが報告されている。また薬品類や鉛散弾などの重金属は湖内の生物に影響を与えると考えられる。今後も調査を行い、それらの量と摩周湖内生態系に及ぼす影響を把握するための基礎情報とする。