| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


シンポジウム S02-6  (Presentation in Symposium)

Eco-DRRに関する制度・インセンティブと実践に向けた課題
Challenges in social application of Eco-DRR in Japan

*西田貴明(京都産業大学, 総合地球環境学研究所)
*Takaaki NISHIDA(Kyoto Sangyo University, RIHN)

近年、グリーンインフラやEco-DRRの考え方が様々な主体、幅広い分野で認知され、関係省庁による推進体制や支援制度も整いつつある。これらの動きを背景に、全国各地でグリーンインフラ・Eco-DRRを取り入れた地域計画の策定や施策・事業の実践が進められようとしている。本サブテーマでは、地域の実践現場や関係主体と連携しつつ、地域におけるグリーンインフラ・Eco-DRRに関する事業構築に必要なインセンティブ・制度や、それらの導入方策について検討を進めている。これまでは、シンクタンクや建設コンサルタント等の実務者と地域の関連事例を分析し、計画策定、環境調査、価値評価、事業計画等、実践に必要な技術やその基本的な考え方を整理し、「グリーンインフラ技術レポート」としてとりまとめた。さらに、近年では、様々な行政機関により「グリーンインフラ」を冠する事業だけでなく、農林水産業や観光、エネルギーなど幅広い分野において、自然の機能の活用に向けた施策や事業が構築されている。既存のグリーンインフラ・Eco-DRRに関わる行政の幅広い支援枠組を分析し、それらの活用可能性と実践における課題を整理し、地域における実践プロセスのあり方について検討を進めてきた。現在、複数の地方自治体とグリーンインフラ・Eco-DRRの実践に向けて、定期的な意見交換や現地調査を実施している。その中では、グリーンインフラ・Eco-DRRを実践する上で生じる実務的な課題を抽出し、それら課題の対応策を多様な専門家と協働して検討している。今後、地域のグリーンインフラの推進方策を踏まえて、特に民間セクターとの協働を想定して、グリーンインフラ・Eco-DRRの実践を支えるインセンティブ制度のあり方を取りまとめたい。


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