| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


シンポジウム S05-6  (Presentation in Symposium)

野草地放牧は羊の線虫感染を緩和できるか? 羊の健康と採食行動調査から
Can native pasture grazing mitigate nematode infection of sheep?

*吉原佑(三重大学)
*Yu YOSHIHARA(Mie Univ)

国内における放牧羊の寄生虫感染が畜産業上の大きな問題となっている。そこで、夏に北海道にある牧場において放牧羊20頭の栄養、感染、行動の関係を調べた。また、牧草地から野草地へ羊を移動させ、それぞれ約1カ月放牧した後の感染や健康状態の変化を調査した。栄養については増体や採血した血液からタンパク質等の栄養成分を分析した。感染状況については、マックマスター法で糞から寄生虫密度を測定した。さらに、貧血に関係する血球成分を測定した。行動については、バイトカウンターを装着し、バイト数(草のかみちぎり数)と採食時間を測定した。
 その結果、栄養、感染、行動の第1主成分についてはそれぞれ有意な関係は認められなかった。また、野草地へ移動させた後に、血中成分については大きな変化は見られなかったものの、線虫の感染状況に改善が見られた。詳細については現在解析中のため、発表当日に報告する予定である。


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