| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


シンポジウム S07-1  (Presentation in Symposium)

植物間相互作用における他個体認識の役割
Roles of neighbor recognition in plant-plant interactions

*山尾僚(弘前大学)
*Akira YAMAWO(Hirosaki Univ.)

 生物は外環境からの刺激に対して様々な応答を示す。環境からの刺激は、捕食者や競争者の有無などの多様な「情報」を含有する。刺激に対する生物の応答のうち適応的なものが自然選択のプロセスを経ることで、生物による外環境の「情報利用」が進化する。動物のように容易に移動することのできない植物では、近隣植物との干渉が最も一般的な外環境からの刺激である。近年、植物が近隣植物由来の様々な刺激を情報として利用し、それらの情報に基づく応答が植物間相互作用の結果を大きく左右しうることが示されてきた。例えば、他種植物由来の刺激を受容した植物は、資源競争に有利な応答を示す。さらには、どの情報を優先的に利用するのかといった、情報の優位性も存在することが明らかになりつつある。本講演では、植物間の相互作用における環境応答の多様性を「情報利用」の観点から概観し、その役割について整理する。


日本生態学会