| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


シンポジウム S13-4  (Presentation in Symposium)

森林機能に関わるゲノム・形質・生態の統合アプローチ
An integrated approach to study forest functions from genomics to ecosystems

*小野田雄介(京都大学)
*Yusuke ONODA(Kyoto Univ)

気候変動が進む中において、国土の2/3を占める森林の機能を最大化するために、ゲノム・形質・生態を有機的に連結した革新的統合アプローチを提案・実行したい。カーボンニュートラルのためには、既存の森林の生産量を上げる必要があるが、葉レベルの光合成が高いにも関わらず、森林レベルの生産が低い森林があるなど、従来から注目されている葉レベルの評価だけでは不十分である。森林生産力の増加の鍵の1つは、樹冠構造にあると考えられ、LiDARやドローンなどの技術革新を効果的活用し、生産性と樹冠構造の関係を明らかにする。また、日本広域での植物の環境に対する適応様式を明らかにするため、10年の歳月をかけて蓄積した国内主要樹種の網羅的な形質データを活用する。また、主要植物種の全ゲノム解読を実施し、環境適応の鍵となるゲノム形質を解明する。これらのゲノム-形質-森林生態系研究を通し、環境変動下における森林のあり方を考えていく予定である。


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