| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


シンポジウム S13-7  (Presentation in Symposium)

地球システムモデルで生態系の環境応答を調べる
Discovering the ecosystem response to environmental change by Earth System Model

*加藤知道(北海道大学), 野口(相田)真希(海洋研究開発機構), 羽島知洋(海洋研究開発機構), 立入郁(海洋研究開発機構)
*Tomomichi KATO(Hokkaido Univ), Maki NOGUCHI-AITA(JAMSTEC), Tomohiro HAHUMA(JAMSTEC), Kaoru TACHIIRI(JAMSTEC)

陸域・海洋生態系は気候変動によって生じる環境変動を緩和する作用を持つ一方で、生態系物質循環–気候変動の間に存在する正のフィードバックにより、環境変化をさらに悪化させる危険性もある。それは人類の生活基盤を大きく損ない、ひいては世界の安全保障を脅かす。そこで持続的な社会を構築するためには、過去・現在・将来における生態系環境応答が気候変動に与えるインパクトを解明しておくことが非常に重要である。しかしながら、生物圏-気候間の相互作用をグローバルに直接的に定量する地球システムモデル(陸域・海洋生態系物質循環+大気・海洋・陸面物理過程)を利用するためには、高度な生態学専門知識・計算技術・計算資源のすべてが必要である。またその出力結果は、種類・容量が膨大であり解析が容易でないため、有効に利用されていない問題がある。
そこで本研究では、①最先端の地球システムモデルによるシミュレーション実験、②最新のマルチ地球システムモデル出力結果の解析を行い、グローバルな生態系環境適応が気候へ与えるフィードバックを解明する。これにより持続的社会を構築するための適応策に貢献できる。
本発表では、本研究で利用する地球システムモデルMIROC-ES2L(海洋研究開発機構/国立環境研究所/東大大気海洋研; Hajima et al., 2020)について紹介し、目指している研究を説明するとともに、将来的に期待する生態学者とのコラボレーションについて紹介する。


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