| 要旨トップ | ESJ69 自由集会 一覧 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


自由集会 W05  3月17日 16:30-18:00 Room E, 現地開催/ライブ配信あり/見逃し配信対応

道具としての「形態測定学」:生物の美しさの定量的設計法
Morphometrics as a tool: how to design the beauty of organisms

高橋一男(神奈川大学), 立田晴記(九大・理)
Kazuo TAKAHASHI(Kanagawa Univ.), Haruki TATSUTA(Kyushu Univ)

形態測定学は対象物の形状とその変異を定量化する方法論を取り扱う研究分野を指し、その手法は幅広い研究分野で活用されている。進化生物学分野においては、生物の形態変異を定量化する事で、形態進化の歴史やその過程で働いた淘汰の種類や方向性の評価が行われてきた。その一方で、考古学分野においては、文化的人工物の形態変異を定量化する事で、意匠の進化の歴史や、その文化的背景の評価が行われてきた。園芸植物の形態進化は、両分野の中間にあたり、人間の美的価値観に基づいて育種された園芸植物の形態は、発生学的な拘束と人間の美的価値観に基づいた淘汰との相互作用によって引き起こされたと考えられる。立体的で複雑な構造を持つ花形態の定量化は、形態測定学的な難問であり、さらに美学的価値観に基づいた定量的な花形態デザインと人為選抜には、学際的なアプローチが必要となる。
 本集会では、理論形態モデルによるアプローチで、美的価値観に基づいて育種されたスイレンの花形態解析に挑む演者を招き、幾何学的形態測定だけでは捉えきれない形態の評価方法についてご講演を頂く。また、ゲノミクスを活用した花形態のデザインの可能性についてもお話頂く。複雑な3次元構造を持つ対象についての形態評価方法や、人の感性の影響の評価方法について議論したい。

コメンテーター:三中信宏(農研機構)
「美の形態測定学:アルブレヒト・デューラーから感性工学への道のり」

[W05-1]
理論形態モデルから考える品種スイレンの花形態の設計 *切江志龍(早大・院・先進理工), 野下浩司(九大・院・理), 濱崎甲資(東京大・院・農学生命), 石森元幸(東京大・院・農学生命), 永野惇(龍谷大・農, 慶應大・先端生命研), 樋口洋平(東京大・院・農学生命), 高梨秀樹(東京大・院・農学生命), PRADALChristophe(CIRAD, 仏国立農学研究所, モンペリエ大), NEVEUPascal(仏国立農学研究所, モンペリエ大), 岩崎秀雄(早大・院・先進理工), 岩田洋佳(東京大・院・農学生命)
Design of Floral Morphology of Varieties of Water Lilies Based on the Theoretical Morphological Model *Shiryu KIRIE(Advanced Sci. Waseda Univ.), Koji NOSHITA(Science, Kyushu Univ.), Kosuke HAMAZAKI(Agri. Life. Sci, Univ. Tokyo), Kosuke ISHIMORI(Agri. Life. Sci, Univ. Tokyo), Atsushi J NAGANO(Agri. Ryukoku Univ., IAB Keio Univ.), Yohei HIGUCHI(Agri. Life. Sci, Univ. Tokyo), Hedeki TAKANASHI(Agri. Life. Sci, Univ. Tokyo), Christophe PRADAL(CIRAD, INRA/SupAgro, U.Montpellier), Pascal NEVEU(INRA/SupAgro, U.Montpellier), Hideo IWASAKI(Advanced Sci. Waseda Univ.), Hiroyoshi IWATA(Agri. Life. Sci, Univ. Tokyo)


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