| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨 ESJ69 Abstract |
自由集会 W13-1 (Workshop)
近年の生態学で使われる実データ分析の手法は、益々複雑化している。例えば10-15年前に一般化線形(混合)モデルやその“予測精度”を評価する赤池情報量規準(AIC)が普及して以来、統計的手法の焦点はより複雑なベイズモデルなどへと広がりを見せている。統計学自体が関心ではないほとんどの研究者にとって、近年のトレンドは学習コストの増大、あるいは生態学的に“本質でないこと”への従事とすら捉えられるかもしれない。
このような問題意識を踏まえ、本講演では生態学の実データ分析と様々な統計手法との関係性を再考する。特に近年の数理統計分野の動向を踏まえながら、フィールドワーカーが統計分析を専門家に任せることは(どのようにして)可能か、統計家とフィールドワーカーではどのような視点の違いがあるのか(「なぜ質問に応えられないのか」)などを議論し、今後の方向性について提題する。