| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨 ESJ70 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-02 (Poster presentation)
川越女子高校生物部では、2016年度・2017年度・2018年度と2021年度・2022年度と埼玉県の河川におけるエビの在来種と外来種の分布を継続調査している。2021年度・2022年度について詳しく報告する。
昨年度(2021年度)まで在外種が確認できていた高麗川鹿台橋付近(日高市)で今年度(2022年)在来種の確認ができなかった。2016年から調査しているが、在来種が外来種と混在して生息してきた貴重な場所であった高麗川の在来種がいなくなったことにより、埼玉県内の河川では急速に外来種の進出が進んでおり、在来種の存続が危機的状況であるのではないかと考える。そのほかの調査地である巾着田水路(日高市)(2017年から在来種がいない)、新河岸川八幡橋(川越市)(2016年から在来種がいない)、荒川支流の塩沢川・川の博物館地内(寄居町)、荒川入間大橋付近三ツ又ビオトープ地内(川越市)で調査を実施したが、いずれも在来種の確認ができなかった。
高麗川のエビの在来種がいなくなった理由として、今年の夏の豪雨により水位が上がり、激しい流れを起こして藻や水生植物が流されてなくなったことで、エビの住みやすい環境が破壊されたのではないかと推察した。
今後の活動として、2022年7月の巾着田水路で形態の違ったエビが5匹(77匹中)見つかったので、雑種や新亜種の可能性を含めて注視していく。また、チームアライグマ(埼玉県の公立高校約10校で結成)の学校と協力してさらに埼玉県広域に調査地点を増やせないかを検討しているところである。