| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨 ESJ70 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-18 (Poster presentation)
学校で飼育しているサバンナオオトカゲに餌を与えるための準備中に、サバンナオオトカゲがケージ 外に置いていた餌であるピンクマウスに対して首を持ち上げるような反応を示していることに気付いた。その反応を見たときに、サバンナオオトカゲはどのようにして餌を判別しているのか疑問に思った。しかし、サバンナオオトカゲがどのようにして餌を判別しているかまだ明らかになっていない。本研究では、サバンナオオトカゲがどこに餌があるかをどのようにして判別するかを明らかにすることを目的とした。サバンナオオトカゲには日常的に舌を出し入れする動作が見られる。これは揮発性の粒子を捉える行動であることが分かっている。また、爬虫類は一般的に嗅覚を使って餌を判別していることが知られている。これらの知見から、「サバンナオオトカゲは主に嗅覚を用いて餌を判別しているのではないか」と仮説を立てて実験を行った。
サバンナオオトカゲから左右約15cm離れたところにそれぞれ餌の入ったシャーレを置き、片方から扇風機で風を当てたところ、風上側の餌に向かう行動が見られた。また、逆方向から風を当てた場合でも、サバンナオオトカゲは風上側の餌に向かった。一方で、左右のシャーレに餌を入れず片側から扇風機で風を当てた場合は特定の方向に向かうことはなかった。このことからサバンナオオトカゲは餌を判別する上で、餌から出る揮発性の粒子を感知して餌に向かっていることが分かった。今後は、サバンナオオトカゲが特定の揮発性の粒子に対してどのような反応を示すかを明らかにしていきたい。