| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨 ESJ70 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-31 (Poster presentation)
目的:乳酸菌は身の回りで多く活用されているが、まだ見つかっていない新種も数多く存在する。また、乳酸菌には人体への有用性が非常に高い性質を持ったものが多く存在し、それらを使用した食品の需要が高まってきている。そのため、今回は埼玉の牧場にいる牛の乳から乳酸菌を分離・同定し、有用性の高い株や未発見の株の探索を行うことを目的とした。
実験方法:東松山にある本校から近い、日高にある加藤牧場(埼玉県日高市旭が丘572)に販売されているノンホモ低温殺菌牛乳から単離を試みた。牛乳から乳酸菌を単離するために条件検討を行った。乳酸菌用GYP培地に牛乳を1ml接種し、30℃で2日、3日、4日に培養日数を分けた。培養日数ごとに、10倍、100倍、1000倍、1万倍、100万倍希釈した。乳酸菌用GYP寒天培地を湯浴鍋で湯浴し、寒天を溶解させた後、40℃前後に冷まして、小さじ一杯の炭酸カルシウムを入れたシャーレに流し込み30℃で培養後、ハロ形成を確認した。
実験結果:条件検討の結果乳酸菌は培養日数3日間で、1万倍希釈で混釈培養することで最も多く得ることができた。2日培養したものではハロ形成があまり見られず、4日培養したものでは他の細菌も多く生えていた。培養3日間では、希釈倍率が低い条件では、乳酸菌の生育が判別できなかった。また、希釈倍率が高すぎると、乳酸菌以外の微生物(カビなど)が多く出現した。今後はこの条件にて乳酸菌株を取得し、乳酸菌の同定を行い、牛乳内の微生物群を確認するとともに、新規乳酸菌の取得を目指す。