| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨
ESJ70 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-39  (Poster presentation)

黒目川における環境調査【A】
Environmental survey in Kurome River【A】

*生物部(立教新座高等学校)
*Club BIOLOGY(Rikkyo Niiza High School)

 近年、河川においては水質をはじめとする様々な環境の変化、外来生物の移入などによって生物相が変化してきている。本校生物部は学校近郊を流れる黒目川において、生息する生物の種類及び個体数について調査を行ってきた。本研究の目的は黒目川における生態系の生物相や環境の変化について明らかにすることである。
 黒目川は東京都から埼玉県を流れる荒川水系の一級河川である。生物調査は2014年から2022年までの4月から9月の月1回(夏季には2回以上)、タモ網や投網を使用して行った。
 在来魚種に関してはオイカワ、カワムツ、ヌマチチブ、ウキゴリ等がほぼ毎年確認された。アユについても毎年確認されたが、放流されている個体が捕獲されている可能性もある。オオクチバス、コイ、ウシガエル、ミシシッピアカミミガメ、アメリカザリガニは数年に渡って確認されており、年によってはブルーキャットフィッシュやセルフィンプレコ等の外来魚種も採集された。
 黒目川は都市部を流れる河川であるにも関わらず、多様な生物種が見られる豊かな自然環境が残されている。しかし、外来生物が継続的に確認されており、在来生物に影響を与えている可能性も考えられる。
 今後も、生物相の調査を黒目川で継続的に行っていき、在来生物に外来生物が与える影響を明らかにして、地域の環境保全について考えていきたい。また、調査範囲を拡大するなどして、より広い範囲で生物相の変化を捉えたい。


日本生態学会