| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨 ESJ70 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-44 (Poster presentation)
中海を臨む湊山の山頂に構えられた米子城は山陰の名城の一つであり、米子市のシンボルとなっている。応仁元年に築城されて以来、城郭は失われたが現在まで残る貴重な城のひとつである。歴史ある米子城跡には、貴重な植物も多く存在するだろうと思い、米子東高校に位置する勝田山との比較調査を行った。
(調査期間は2022年5月〜9月)城山の頂上付近、中腹部、下腹部において調査をおこなった。その成果としてセイヨウキヅタ (学名:Hedera helix) 、ニワウルシ(学名:Ailanthus altissima )アラビカコーヒの木(学名:Coffea arabica)等の外来種を確認することができた。また、在来種では、トウカイタンポポ(学名:Taraxacum longeappendiculatum )や.ヤマモモ(学名: Morella rubra)などを確認することができた。また、米子城跡のまわりが汽水湖である中海に囲まれていることもあり、海岸に生える植物であるトベラ(学名:Pittosporum tobira)を確認することができた。この他にも多くの希少な植物を確認できた。また勝田山では、セイヨウタンポポ(学名:Taraxacum officinale)ヒメツルニチニチソウ(学名:Vinca minor、重点対策外来種)などが発見された。そしてフィールドワークを行った結果、勝田山に生息している植物の種類は湊山よりも少ないと分かった。結果から湊山は中海に面しているなどの環境的特色から貴重な 植物を確認することができたのだと考える。また、外来種が多く確認できた理由として人が多く出入りしていることが挙げられる。勝田山は学校内にあり周りを住宅地に囲まれていているから、植物の種類が少なく外来種もあまり確認 されなかったのだと思う。
まだ調査は終わっていないのでこれからも調査を進めていきたい。