| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨
ESJ70 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-65  (Poster presentation)

宮城県蕪栗沼の土壌シードバンクから得られた植物【A】
The Plants Derived from Soil Seed Bank of Kabukuri-numa in Miyagi【A】

*浅野日向子, 松田唯, 菅原栞, 白岳航佑(宮城県古川黎明中・高)
*Hinako ASANO, Yui MATSUDA, Shiori SUGAWARA, Kousuke SHIRATAKE(Miyagi Furukawa Reimei HS.)

現在、水質悪化や気候変動による環境悪化等により希少植物の絶滅が危惧されている。
それぞれの植物には水質浄化や土壌改善等の固有の作用があり、絶滅が危惧され ている植物を再生させることは湿地の環境改善に有効である。2011 年から宮城県北部伊豆沼・内沼では埋土種子の発芽実験が実施され、県で絶滅危惧種Ⅰ類に指定されているムサシモや、伊豆沼で20 年前以降生息が確認されていなかったジュンサイが発芽した。伊豆沼と隣接する蕪栗沼では埋土種子の発芽試験は行われていない。そこで我々は蕪栗沼を対象に埋土種子試験を行った。
本研究の目的は、埋土種子を発芽させ、希少種が確認された場合には、その次に種の再生を行うことにより蕪栗沼の生態保全につなげるというものである。地表にはヨシやマコモ、そして準絶滅危惧種のミズアオイをはじめとする多種多様な植物が生息する蕪栗沼だが、地中の様子はどうなっているのだろうか。土には固有種や希少種が眠っているという仮説のもと、発芽実験で蕪栗沼の内なる植生を明らかにする。
令和4年5月蕪栗沼中央部の地表及び地下50センチから土壌を採取した。表層および地中から採取した土壌は、乾地での発芽を確認する表層および地中から採取した土壌は、乾地での発芽を確認する目的で、市販の農業用培養土を充填したプランターの表層に約3cmの厚さで移植した。加えて、 地中から採取した土壌では、湿地での発芽を確認する目的で、水を張った農業用バッドに約 3cmの厚さで移植した。なお、プランターに用いた培養土は、同条件で 1 週間培養し種子の発芽がないことを確認した。培養後、平日の毎日観察し、発芽した個体の種類やおよび数を記録した。この時、外来種と特定が可能なものは記録した後に土壌から抜き取り、種が特定できないものは花が咲くまで観察を続けた。
今回の実験では、地表部とは異なる種の植物や、蕪栗沼の植生リストに記載のない個体を確認した。


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