| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨 ESJ70 Abstract |
シンポジウム S04-1 (Presentation in Symposium)
2022年12月に開催された国連生物多様性条約締約国会議で採択された「昆明・モントリオール世界生物多様性フレームワーク(GBF)」において、ターゲット15では、締約国は企業や金融機関がその事業、サプライチェーン、バリューチェーン、ポートフォリオに沿ったリスク、依存度、生物多様性への影響を定期的に監視、評価、開示できるよう奨励、可能にする法的、行政的、政策的措置を取るべきとされた。
これは、2022年11月にリリースされたTNFDベータ版v0.3と整合している。V0.3では、組織にとってのリスクと機会に関する開示に関連する以前のドラフトガイダンスと同様に、自然への依存と影響を組み込むために開示勧告案を拡張し、サプライチェーンのトレーサビリティに関連する新しい開示勧告を提案した。
TNFDは、自然は、陸、海、淡水、大気という4領域で構成され、この中に、生物群系や生態系といったさまざまな自然のタイプが存在すると定義している。したがって、気候関連課題と異なり、ビジネスと自然との接点は、ロケーション(地域)ごとに異なり、また同じロケーションであってもビジネスセクターによって自然への依存や影響の関係は異なってくるという概念に基づいて、自然関連課題のリスク管理と情報開示のためのフレームワークを開発している。