| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨 ESJ70 Abstract |
シンポジウム S07-5 (Presentation in Symposium)
遺伝的多様性は生物多様性を構成する重要な要素である。しかしながら、特に普通種において、遺伝的多様性の空間分布に関する情報は圧倒的に不足している。また、これまでの空間的な保全優先度付けに際して、種多様性が重要視されてきた中で、種多様性に基づく保全優先度付けによって種多様性と遺伝的多様性の双方の保全が両立されうるのかを検証していく必要がある。
本発表では、青森県北八甲田山系に点在する湿原植物群集での事例を中心に、α・β多様性の観点から、種多様性と複数種の遺伝的多様性の空間分布パターンの決定要因について紹介する。労力・コスト的な問題から、幅広い分類群を対象に、網羅的な遺伝的多様性の評価を行うことが困難である現状を踏まえ、生物種間の生態的な類似性に基づく遺伝的多様性の空間分布の予測や、生物多様性モニタリングへのその適用について議論したい。