| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨 ESJ70 Abstract |
自由集会 W16-5 (Workshop)
本発表は他の講演者とは異なり、パターン研究を行ってきた視点でプロセス研究の必要性を考える。
次世代DNAシーケンサーの発展と共に、対象の生物群集の複雑性は増してきた。その結果、今まで得られなかった群集パターンを観察できるようになった。特に、微生物研究においては、顕微鏡観察では決して見ることができない種数を含んだ群集動態を観察できる。こうした網羅的観察では、どの種間で相互作用があったのかを知ることは難しい。しかし、様々な数学的なアプローチを導入することで、細菌種間の相互作用を推定することができ、群集動態が変化した要因も考察することができる。一方で、重要なことに、これらは「予測」された結果となり、様々な批判がつきまとう。
本発表では、DNAメタバーコディングと数学的なアプローチを組み合わせて得られた、人工生態系内における微生物群集動態の駆動要因についての紹介する。そして、この研究がパターンであると考える理由を話しつつ、パターン研究を通して感じたプロセス研究の必要性、パターン研究の立ち位置について「再認識」する。