| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨 ESJ71 Abstract |
シンポジウム S06-5 (Presentation in Symposium)
本発表では、カワスズメ科魚類を対象とした比較認知・進化生態学的視点に基づいた行動研究を紹介する。アフリカ・南米・アジアの一部に生息する比較的小型なカワスズメ科魚類種群は、社会行動や生態の多様化が生じた種群であり、社会進化の研究モデルとして極めて優れている。特に発表者はこれまで、カワスズメ科魚類における向社会性(= 他者に利益を与える性質)や社会脳仮説(= 社会複雑性が認知能力の進化を促進するという仮説)に着目してきた。そこで、本発表ではこれらの取り組みを紹介しつつ、認知能力や生き物の情動を進化・生態学的視点に基づいて議論することの意義や難しさ、複数の学問分野が協働すべき「認知生態学」における科学的ディスコミュニケーションについても言及したい。