| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨 ESJ71 Abstract |
シンポジウム S06-8 (Presentation in Symposium)
本発表では,コンピュータの介入によって変容する人間の自己感覚について,その研究内容や手法,技術について紹介する.これまでに発表者は,Shaun Gallagherの提唱した運動主体感(Sense of Agency)に焦点をあて,コンピュータによる自己運動への介入,またコンピュータの運動と自己運動の融合がどのように運動主体感に影響するかについて調査を行ってきた.ここでは,自身やコンピュータの運動と連動した複数オブジェクトに対し,どのように自己が投影され,運動主体感が生起するかについて調査した研究について紹介する.また,二つのロボットアームを用いた複数運動主体感(並列身体)の研究を紹介し,人とコンピュータの融合状態における運動主体感,自己感覚について議論する.
本発表を通じて,発表者の専門であるHuman-Computer Interaction,身体性認知科学における人の自己感覚に関する研究とその展望を概観した後,これらの研究を生態学的視点から捉え直すことを試みる.また,これらの分野において使用される技術を生態学分野における研究に応用できる可能性について,実例を紹介しつつ吟味したい.