| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


自由集会 W03-3  (Workshop)

小笠原のグリーンアノールの生息地依存的な形態変化における雌雄間バイアス
Habitat-dependent morphological shifts are sex-biased in Green anoles in Ogasawara

*諸岡真希(エリクソン・ジャパン)
*Maki MOROOKA(Ericsson Japan)

小笠原諸島は多くの外来種に脅かされている場所である。そのひとつがグリーンアノール、Anolis carolinensisで、すでに環境の異なる複数の島(父島、母島、兄島)に侵入している。本種が新しい環境に素早く適応する能力をもつかもしれないことが、この侵略の成功を促進している可能性がある。もしそうであれば、環境の異なる島々の間で、アノール類の特徴にばらつきが見られることが予想される。カリブ海の島々のアノールでは、肢の長さの変異が異なる生息地間でみられることが知られており、これは異なる生息環境への適応を反映すると考えられている。そこで本研究では、小笠原の島々においても、グリーンアノールの形態が生息環境の違いによって異なるかどうかを調べた。その結果、オスの肢の長さは島間の生息地の環境と相関するが、メスでは相関しないことが示された。これは、オスはより広い空間をテリトリーとして利用するが、メスの利用する空間は比較的狭いという雌雄間での生態的地位の違いと、島間での利用可能な環境の違いが関係しているかもしれない。この形質の可塑性は、グリーンアノールに強力な侵略性を与える可能性がある。


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