| 要旨トップ | ESJ71 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨 ESJ71 Abstract |
自由集会 W03 3月17日 15:30-17:00 Room C
特定外来生物グリーンアノールAnolis carolinensisは小笠原と沖縄県の計5島に定着し、特に小笠原では捕食によって在来昆虫に深刻な影響を及ぼしている。5島の全てにおいて行政による防除が進められているが、本種の捕獲、遮断、誘引などの手法は必ずしも確立しておらず、狭い範囲での低密度化は達成できても、地域的根絶や広域の防除にはほとんど成功していない。たとえば捕獲においては、粘着トラップを手作業で設置するという従来の方法には限界があるため、何かを広く散布して面的に根絶を図るような手法の開発が求められている。また、トラップ等の物理的防除のみならず、化学的または生物的な防除についても積極的に取り入れるための検討が求められる。
このような状況において、アノールの防除に係る実務者や行政機関、地元住民や、動物生態学・行動学・爬虫両生類学などの研究者、外来種防除の技術者などが連携して、あらためて本種の防除技術開発のための検討・試験体制を構築して、地域的根絶を達成できる防除手法を確立することの必要性が指摘されてきた。
この自由集会においては、昨年度に引き続きアノールの防除や基礎研究等に取り組む研究者・実務者が話題を提供し、防除技術開発に係る連携を広く呼びかける。3題の講演の他に、遺伝子操作を用いたブルーギル防除の研究事例について岡本裕之博士(水産研究・教育機構)に会場より話題を提供いただき、議論のきっかけとしたい。
[W03-1]
小笠原におけるグリーンアノール対策の現状
Current status of measures against green anoles in Ogasawara
[W03-2]
グリーンアノールの防除技術開発における経緯と課題
History and Issues of Development of Control Methods for Green Anoles in Japan
[W03-3]
小笠原のグリーンアノールの生息地依存的な形態変化における雌雄間バイアス
Habitat-dependent morphological shifts are sex-biased in Green anoles in Ogasawara