| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨 ESJ71 Abstract |
自由集会 W06-1 (Workshop)
数多の人間活動に伴い侵略的外来種の侵入が増大している。IPBES外来種アセスメントでは、外来種の侵入に影響を与える変化要因を「(自然における変化の)直接要因」と、直接要因に影響を与えることで生物多様性や生態系に作用する社会的要因である「間接要因」に大別し、全44の要因が外来種の侵入プロセス(輸送、導入、定着、拡散)に与える影響を評価している。経済活動(特に国際貿易)をはじめとする間接要因は、侵入プロセスの初期である輸送と導入を特に促進している。一方、直接要因 である土地・海域利用の変化、生物の直接採取、汚染、気候変動、外来種侵入 は、侵入プロセスの後期である定着と拡散により影響する 。これら変化要因のほとんどは1950年以降に著しく増大し、世界的に侵略的外来種を増加させる一因となっている。これらの変化要因は単独で作用することはほとんどなく、複数要因の複合的影響が極めて重要と考えられるが、これらの相互作用についての研究は非常に少ない。本発表では、IPBES外来種アセスメントで示された外来種の侵入に影響を与える変化要因について概要を紹介する。