| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


自由集会 W06-3  (Workshop)

外来種の侵入に対する管理【B】
Management; challenges, opportunities and lessons learned【B】

*江川知花(農研機構 農環研)
*Chika EGAWA(NIAES NARO)

侵略的外来種による生物多様性や社会経済活動、生活の質への影響を回避・軽減するため、これまで世界各地で様々な管理努力がなされてきた。IPBES外来種アセスメントでは、未知の種の侵入への備え(preparedness)と予防から、すでに広範囲に拡散している侵略的外来種による影響の緩和まで、既存の外来種管理アプローチとその成否を規定する要因について評価が実施された。外来種の侵入に対する管理は、新たな導入を未然に防ぐための経路管理、侵入初期の根絶や封じ込めに焦点を当てた種対象の管理、侵入が進行したサイトまたは生態系の管理に大別される。文献や報告書のレビューの結果、侵略的外来種の悪影響を回避・緩和し、生態系の回復力を高めるためには、侵入の段階に応じ適切に対象を定めた管理が利害関係者や地域社会の関与を通じて実施されることが肝要であることが示された。本発表では、アセスメントで示された有効な管理アプローチとそれらを実現するために克服すべき課題について紹介したい。


日本生態学会