| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


自由集会 W11-3  (Workshop)

年輪情報と長期データから迫る過去数百年の撹乱履歴と現在の森林構造・種組成の関係【O】
Exploring relationships between disturbance history and current forest structure and species composition based on tree ring and the long-term data【O】

*堀田亘(北海道大学)
*Wataru HOTTA(Hokkaido University)

気温上昇や降水量変化などの気候変動は、定着や成長、枯死等の樹木の生理的応答に影響を与えることで、森林の樹種構成を変化させる可能性がある。しかし、気候変動の進行に伴う自然撹乱レジームの変化も森林動態に大きな影響を与える要因である。自然撹乱レジームは、自然撹乱(森林火災や台風による風倒、豪雨による斜面崩壊など)の頻度や強度、規模のパターンのことを指す。森林の構造や樹種構成はこれまでの自然撹乱レジームに適応して形成されてきた。したがって、撹乱レジーム変化は気候変動と相まって森林の姿を劇的に改変させる可能性がある。稀にしか発生しない自然撹乱の頻度や強度、規模のパターンを定量化するためには、長期間かつ面的な広がりを持ったデータが不可欠である。1970年代からLandsatなどによって撮影されている衛星画像の活用により、欧米を中心に広域での撹乱レジームの定量化研究が進められてきた。しかし、気候変動が自然撹乱レジームに与える影響とそれによる森林動態の影響を解析するには、100年以上の長期間のデータの使用が望ましい。その点において、年輪解析による撹乱レジームの復元は、膨大な労力がかかるものの、数百年スケールでの過去の撹乱履歴が解明できるため有効活用が望まれる。本発表では、JaLTER森林サイトを利用した、過去数百年間の撹乱履歴が現在の森林構造・種組成に与える影響解析に関する研究構想をご紹介する。


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