| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


自由集会 W11-4  (Workshop)

タイムラプスカメラを用いた植生フェノロジー観測網の構築−PENのこれから−【O】
Construction of time lapse camera network for vegetation phenology monitoring【O】

*笹川大河(筑波大学)
*Taiga SASAGAWA(University of Tsukuba)

Phenological Eyes Network (通称: PEN) とは, 人工衛星リモートセンシング (以下衛星リモセン) を用いた陸域生態研究に取り組む研究者らが2003年に設立した観測ネットワークであり, 植生動態の長期観測を目的としている. PENを構成する観測機器の1つにタイムラプスカメラがあり, 植生フェノロジーの定点観測に使っている. タイムラプスカメラは北極域から熱帯域にわたる29のサイトにおいて, 2018年時点で延べ800万枚におよぶ画像を取得しており, 世界の衛星リモセンの発展に貢献してきた. このような定点観測画像から得られる植生フェノロジー情報は, 衛星リモセンによって得られる情報を地上で実際に起きている事象と結びつけるために必要不可欠であり, 特に衛星リモセンによる単木レベルでのフェノロジー観測などが可能になりつつある現在では, その重要性が高まっている. 一方で, これまでのPENのタイムラプスカメラはAC電源なし・有線LAN無しでの運用には難があった. そこで, 我々は低消費電力の小型コンピューター: Raspberry Piを活用することで, 太陽光パネル・携帯電話回線で動作が可能な新型タイムラプスカメラシステムを産業技術総合研究所と協力して開発した. 市販のウェブカメラ・インターバルカメラでは撮影時の細かい設定 (露光時間・ISOなど) が難しい上, 内部時計がよくずれるが, 紹介するカメラではこうした細かい設定も可能であり, 内部時計の時間ずれもほとんどない. さらに, Raspberry Piは小型ながらもコンピューターであるため, カメラ以外の観測機器 (温湿度計・マイクなど) の制御なども可能である. しかしながら, Raspbery Piを用いたタイムラプスカメラを長期観測ネットワークとして活用している事例は少ない. そこで本発表では, PENおよび新型タイムラプスカメラについて紹介する. 本発表がJaLTERサイト関係者はもちろんのこと, 写真での定点観測に興味を持つ研究者とのコラボレーションのきっかけとなることを期待する.


日本生態学会