| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


自由集会 W20-1  (Workshop)

カメラの基礎と応用:ピントとアングルについて【O】
Basics and applications of the camera: about focus and angle【O】

*片山響(Light-Box)
*Hibiki KATAYAMA(Light-Box)

「写真を撮る」とはどういうことだろうか。
被写体を前にしてカメラを構えてシャッターを押す。そうすると、確かに写真が撮れる。昔は、写真を撮るにも色々なものを適切に設定する必要があった。それが、「写真を撮る」ということを構成していた一要素であった。しかし、現在では技術の進歩によって、カメラが被写体や環境の状態を推測して、適切と思われる明るさとそれに合わせた設定、で写真を撮ることが可能になり、特別な意図がある場合や画質を追及する場合を除いて、設定をする、ということが不要になった。

では、設定をする、ということを、「写真を撮る」ということから抜くと、何が残るだろうか。
それは、(いつどこで)どの様に空間を投影するか、である。
(いつどこで)という部分は、基本的にはカメラが関係する範疇では無く、撮影者の判断に委ねられている部分である。一方で、どの様に、という部分は、カメラが大きく関係する部分であり、撮りたいイメージに合わせてカメラを適切に運用することが求められる。
つまり、現代においては、写真を撮る≒どの様に空間を投影するか、ということであり、ここが、カメラが大きく関わるものの、カメラでは無く撮影者に運用を委ねられている部分なのである。

では、どの様に空間を投影すれば良いだろうか。
この問いを考えていく為には、先ずはカメラで、どの様に空間が投影されるのか/どの様に空間を投影出来るのか、といった基礎的な部分を理解しなければならない。

今回は、写真を撮る≒どの様に空間を投影するか、という観点で、基礎的な部分に関わってくるピントとアングルについて説明し、その応用としてチルトについて言及する。
特に、写真を撮る時に、撮りたいアングルと欲しいピントが一致しない、といった経験をして悩んだことがある人の一助になれば幸いである。


日本生態学会