| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


自由集会 W20-3  (Workshop)

生物学における高速度カメラの活用例:鳥と昆虫の羽ばたき飛翔を中心に【O】
High-speed cameras in biology: case studies on bird & insect flapping flight【O】

*前田将輝(拓殖大学)
*Masateru MAEDA(Takushoku Univ.)

通常の動画は1秒間に静止画を30枚程度撮影する (30 frames per second, fps) が、最近はスマートフォンでも 60, 120, 240 fps といった速度での撮影が可能となっている。120 fps で撮影して 30 fps で再生すると「4倍スロー」というわけだ。場合によってアクションカムも有用で、我々もペンギンの羽ばたき遊泳を GoPro で撮影したことがある。一方、本格的な高速度カメラは非常に高価であるのに今でも研究に利用されている。それは、像が歪まないグローバルシャッタにより、高感度センサで高速に撮影(1000 fps程度以上)し、フレーム間を勝手に補間されたり圧縮されたりせずにデータを保存でき、もちろんレンズも変更可能…といったように、複数の有益な特長を兼ね備えるためだろう。最近は「輝度変化のある画素のみ記録する」新しいカメラも登場した。
 生物学では特にバイオメカニクスの文脈で様々な高速運動を調べるために利用されてきた。落下して体をひねる (aerial righting) 猫、550 g(ジー)の大加速でジャンプするアワフキムシ、アギトアリの顎スナップ、シャコパンチとキャビテーション、破裂して種子散布する植物、などなど…。もちろん飛翔や遊泳の研究でも多用されているが、ここには陸上の移動に比べるて1つ問題がある。空気や水という流体(気体や液体)中での推進運動であるため、その動きつまり「流れ」も重要だが、これらの流体は透明で、カメラに映らない。真っ暗な画面を1秒間に1万コマ撮っても意味がない。そこで次のような方法がとられる (a) 翼など体表面を撮影し3次元運動を再構築して、ロボット実験や数値シミュレーションで流れ場を再現する (b) 流体中に散布した煙や微粒子を撮影して流れの可視化・計測を行う。本発表ではこうした研究の実例を紹介したい。


日本生態学会