| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨
ESJ72 Abstract


一般講演(ポスター発表) P0-145  (Poster presentation)

カメラトラップによる大学構内の哺乳類調査:教育と地域連携への活用のために
Camera Trap Survey of Mammal Fauna on a University Campus: Towards Educational and Community Engagement

*深川幹(神戸常盤大学)
*Motoki FUKAGAWA(Kobe Tokiwa University)

大学キャンパス内の二次林は、都市や住宅地に隣接しながらもまとまった緑地を維持しており、教育・研究活動に活用されるだけでなく、地域社会への責任や安全面を考慮した適切な保全・管理が求められる。たとえば、大学緑地がアライグマやハクビシンの生息地となることで、近隣住民や農作物に被害をもたらす可能性があり、大学への投書などでもしばしば指摘されている。しかし、生物学を専門としない教職員や学生にとって、目視が困難な哺乳類の生息状況や、それが地域に及ぼす影響を認識することは容易ではない。また、生命尊重の価値観との折り合いの難しさも相まって、適切な管理施策が進まず、地域への情報提供も十分に行われていないのが現状である。
本発表では、カメラトラップ法を用いた大学構内の哺乳類相の可視化を通じて特定外来生物であるアライグマの生息が確認された事例をもとに、これらの課題への取り組みを検討する。 野外調査で得られたデータを活用し、生物学を専攻しない学生も含めた課題解決型学習(PBL)への応用や、地域住民への情報提供の取り組みについて報告する。


日本生態学会