| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(口頭発表) L03-02  (Oral presentation)

平均値・中央値の差の検定をどう行うべきか:ノンパラメトリック検定の使いどころ
How to test the difference between means and medians: when nonparametric tests are appropriate

*粕谷英一(大阪公立大学)
*Eiiti KASUYA(Osaka Metropolitan University)

2つの条件の間で、中央値や平均値にちがいが生じているかどうかは、生態学を含めて多くの分野で頻繁に見られるデータ解析上の問題である。統計的検定としては古くはStudentのt検定で扱われた問題であり、不等分散でもかまわないWelchの検定や、正規分布を仮定しないノンパラメトリック検定も広く使われている。ノンパラメトリック検定では、Mann-WhitneyのU検定(すなわちWilcoxon順位和検定)が代表的だが、分散が異なる場合にも対応したFligner-Policelloの検定やBrunner-Munzelの検定もよく使われるようになってきている。これらのノンパラメトリック検定は、正規分布のような特定の分布を仮定していないこともあって、『分布がどうであっても使える』『分布のことは気にしなくてもいい』という誤解が根強い。
 Mann-WhitneyのU検定(Wilcoxon順位和検定)やFligner-Policelloの検定、Brunner-Munzelの検定について、本当は中央値や平均値に差がないのに誤って有意な差を検出してしまう、誤りの率が、どのような条件で高くなるのか、逆に、有意水準を超えないのはどういう場合かを数値計算などにより検討する。
 また、これらのノンパラメトリック検定では、実際の中央値や平均値の大小とは大小関係が反対方向の有意な差を検出してしまうケース、有意な差が検出されるが大小についての解釈が悩ましいケースも生じるが、それらについても例を示してふれる。


日本生態学会